第360章

アトリエにいるのは、彼女と付き合いの長い同僚や、彼女自身が手塩にかけて育てた部下たちだ。当然、彼女への信頼は厚い。

加えて、警察による綿密な捜査──検死結果も含め、被害者の死亡推定時刻は彼女が遺体を発見する三時間前だったことが証明された。

そもそも、彼女と被害者の間に接点などないのだ。

殺人容疑はまたたく間に晴れたものの、前田南は世論の荒波を肌で感じていた。そして、その裏で誰かが糸を引き、故意に騒ぎを大きくしていることにも気づいていた。

そこで前田南は、密かに探偵を雇い、事態の調査に乗り出した。

一方、望月琛サイド。

望月株式会社。

大谷森が大股でオフィスへと歩み入ってくる。

...

ログインして続きを読む